『とんがり帽子のアトリエ』1巻の感想です。
ストーリーに関わるネタバレを含みますので、苦手な方はご注意ください。
続きからです。
魔法のある世界(文化としては15世紀イギリスくらい?いわゆる「ファンタジー」で想像する世界観)が舞台。
仕立て屋の娘ココは、店主である母と一緒に店を切り盛りしながら、魔法に強い興味を持った少女。
ある日店に来たとんがり帽子の魔法使いキーフリーが魔法を使うところを目撃し、魔法というのは「描く」ものだと知ってしまいます。
そしてその昔、お城のお祭りでものすごく妖しい仮面の男から買った本(ペンのおまけつき)がニセモノではなく、魔法陣を表していると気づいたココが、もらったペンでトレーシングして魔法陣を描いてみると、それは超強力な魔法で、ココは間一髪キーフリーに助けてもらったものの、お母さんは魔法の中に閉じ込められてしまいます。
ココはお母さんを助けるため、キーフリーは魔法使いが絶対秘密にしている魔法陣とインクを一般人に与えた仮面の人物を探るため、二人は師弟関係を結ぶのでした。
ですが当然、今までずっと努力してやっと弟子になったこども達はココの存在が面白くありません。
特にルームメイトのアガットはその気持ちをストレートにぶつけてきて、弟子入り二日目に「試験」を受けるようココに迫ります。
「試験」とは魔法使いの弟子入りに必要なもので、最初の試験は山の頂上にある「王の許し」という花を摘んでくること。
しかしその花の生えるダダ山脈とは、ボールみたいな球体の山の連なる場所でした。
できっこないことをやらせる、新人いびりとしてはよくあるパターン…。
けれどもココは仕立て屋の技術を生かして魔法陣を描くことに成功し、空を飛んで王の許しを持って帰ります。それを見たアガットはまだ複雑な様子ですが、キーフリーは「そんなことをしなくても僕の弟子だ」と認めてあたらしいとんがり帽子をココに渡すのでした。
無事に試験を終えたココですが、まだ魔法使いのペン(杖)はうまく使うことができません。
そこでキーフリーはココに合った杖を探すため、魔材屋へ弟子をみんな連れていきますが、そこで昔お祭りでココに魔法の本を売った仮面の男を見かけますが、追いかけるうちに見失い、弟子たちみんなとさっきまでいた街とは全然違う場所で迷子になって、いきなりドラゴンにエンカウントします…
というのが1巻のストーリー。続き気になるなあ…次巻発売予定は今年夏ごろとのことです。
見どころは、やっぱりこの世界を描き出す画力がすごいです。映画のアートブックみたいに、精緻な描き込みが物語と世界観を彩ります。
私がこの漫画を知ったきっかけもツイッターで話題になった「背景がつながっているコマ」でしたけど、この「描きたいものなんでも描けるんじゃないか」とすら思うほどの画力が、「魔法はかけるんじゃなくて描くものなんだ」というストーリーにすごく合うなあ、と感じました。
あとは、キーフリー先生のお弟子さんがみんなタイプの違う美少女で、キーフリー先生が周りから怪しい目で見られてるんじゃないか…と心配になってしまった。
魔法使いの本拠地「大講堂」は嫌いみたいだけれど、弟子をとるのに問題はなかったのかなあ。
美少女の弟子ばかりとる美青年、という共通事項でつい「楽園の魔女たち」のエイザードに重ねてしまうけれど、キーフリー先生はたぶんあの人よりはまっとうな人間ですよ…
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