2016年2月26日金曜日

読書録4

「幽霊塔」その3

ネタバレ注意です。
186Pまで。

停電で暗くなったがうまく寝付けなかった主人公の部屋では、
暗がりに女の手が浮かび上がってきたのでした。
こええ!
なんとか追い払うことに成功しますが、相手は手に傷をつけて血の跡を部屋に残して行くのでした。

お鉄婆さんを殺したといわれるぎん子の霊なのか?というところですが、
翌日から秋子さんのお付き?の肥田さんという女性が寝込まれることになります。
どうやらペットの猿に引っかかれた傷が感染してしまったらしい。

主人公もおや?手に傷?と疑います。

彼女を往診してくれた(診療費は誰が持つんだ…)お医者さんによると、釘でひっかいたんだろう、とのこと。

かつ、お見舞いに行ってみると、すごい剣幕で小さな包みを自分の代わりに配達を頼みに行ってくれ、と言われます。

主人公は素直にそれを届けます。なぜそんなに素直なんだ高等遊民よ…めっちゃいい子だなきみは…肥田さんを疑っていたんじゃないのか。

じつはその包みは秋子さんがこっそり隠しておいたものでした。時計屋敷の秘密について記されているらしい。

また、ある日主人公は家で襲われて、刃物で切り付けられます。傷は浅かったが、刃に毒が塗り込んであったらしく(筋弛緩剤かな)、主人公はその場で倒れてしまいます。
するとそこに現れた秋子さんと栄子が、いよいよ煮詰まった言い合いを始めます。
ついに栄子が秋子さんの左手の手袋をとる!

その中身を見られた秋子さんは、栄子に「絶対に誰にも言うな」と脅し始めます。
そこでわれらが主人公君は、なぜか秋子さんをかばうべく、動かない体を押してうなりだします。
するとそれに気づいた秋子さんは、主人公君の救助を始めます。

そこに栄子の姿はどこにもありませんでした。

締めきられた部屋だったはずなのに、どこへ消えてしまったのでしょう。

それはともかく、主人公君と秋子さんはけがを放っておくわけにはいかないので、まず医者を呼びます。

読んでるこっちは、いや、もっと本腰入れて栄子を捜してやれよ!とやきもきします。
家でいきなり人が失踪した、とか、ありえないだろ、こわいだろ!
恋は盲目すぎるよ!

さすがに二人のおじさんはかなり心配して、県下一番の名探偵と呼ばれる森村さんがやってきます。
森村さんはさっそく庭のどぶさらいを決行し、そこから、テーブルクロスに包まれた女性の死体を発見します。
あわれ栄子、殺されてしまったかと思いきや、その死体には首がなく、体の特徴も栄子とは一致しませんでした。栄子ではなかったらしい。

栄子が殺されていたとして、一番疑わしいのは秋子さんです。でも、殺されていたのは栄子ではなかった確信を得た主人公君は、秋子さんを脅す悪漢に話をつけて、秋子さんの秘密に一番近い、東京の先生を訪ねることにしたのでした。
以下次回。

しかし、差別的な表現とか、けっこう過激だなあ。
と読んでいて思いました。
これも小説の大きな流れ、歴史の一部。
ものには歴史があるもんだ。しみじみ。



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