辛口です。
ネタバレあります。苦手な方はご注意ください。
続きからです。
あらすじ
お母さんが妹を産んで帰ってきた「くうちゃん」(いくつなんだろう…めちゃくちゃ活舌がいいし、言ってることが意味が通っている。四歳には見えない。)は、妹のミライちゃんにお母さんとお父さんを盗られたみたいで落ち着かない。ストレスの発散にミライちゃんをいじめてしまっては怒られるが、ある日未来のミライちゃんが「お雛様をしまうようにお父さんに言って」とタイムリープ?して現れる。
それがきっかけだったかのようにくうちゃんは時々庭の木を起点にタイムリープするようになり、ひいおじいさん(めちゃくちゃかっこいい)とバイクに乗ったり、同い年くらいのころのお母さんに会ったりする。
ある日キャンプに行く前、くうちゃんは「黄色のズボンがいい」と駄々をこねてキャンプに行かずに家出すると言って二階の風呂場に引きこもろうとするが、家から人の気配が消えたのを察して慌てて庭まで戻ってくる。庭に出たはずなのに、そこはちょっとレトロな駅になっていて、座っていたちょっとひねくれた感じの学生のお兄さんが「すぐに謝ってこい」と怒ったように言ってくるが、くうちゃんは言うことを聞かず、乗るなと言われた京浜東北線に乗ってしまう。
その電車は東京に着いて、新幹線が好きなくうちゃんは電車に乗ろうとするが、切符が無くて乗ることができない。迷子であると自覚したくうちゃんは忘れ物センターに行くが、そこで「まどマギ」の魔女みたいな案内係に「失くしたのは『自分自身』という訳ですね」と言われて『ひとりぼっちの国』に行く列車に乗せられそうになってしまい…
というお話。
一言で感想を言えば「う~ん?」という感じでした。
まず子どもの描写に説得力がない。子育ての体験談をもりもり盛り込んだんだろうな、という印象は受けますが、子どもからの視点が大人っぽすぎる、というか。
子どもってそんなに理屈で動かないし、言われたことや起きたことを受け入れないし、自分の思考を正確に言語化されたとしても納得はしない。そういうものだと思っているので、理屈の通った動きをするくうちゃんが四歳児にはとても見えない…
あとやっぱり、「サマーウォーズ」みたいな冒険が観たいという期待とのズレが大きかった。
予想していた「未来のミライ」は、
妹が生まれてお母さんを盗られたようで寂しい思いをしていたくうちゃんの元に未来から来たミライちゃんが現れる。
ミライちゃんは「過去を変えたい」と言って(両親が離婚してしまったとか、お母さんが病気になってしまったとか)お兄ちゃんと犬と大冒険。過去と、現在、未来を行き来して、ひいおじいさんにも協力してもらって、家族の絆を学びながらなんとか過去を改変することに成功するが、その未来はとんでもないところに繋がっていた。(未来のミライちゃんが別人になってしまったとか、いなくなってしまったとか)
未来のミライちゃんを失って、過去を変えることはできないとわかったくうちゃんと犬はその修正に奔走し、なんとか成功する。
その後時間をかけて成長したくうちゃんは未来のミライちゃんにまた会えたのでした。(ここで初めて時間軸がつながるタイムリープもの)
みたいな話だったのでなんだか…消化不良です。
私自身の消化不良は単に、映画の興行収入的に想定した客層に私が入っていなかっただけだろう、と思いますが、では誰にベクトル向けた話だったのかというと、子育て中のお父さん、というより自分の子どもについて語りたい監督本人だったのでは?と思っちゃうのはうがった見方かなー。
たぶん子ども自身はこのお話に感情移入できないだろうなと思いますし(怒られているシーンがリアルすぎて逆に嫌だと思う)、観る人を選ぶ話だな、という印象でした。
物語の必然性が軽視されているというか…なんで家族の中でも二人だけがタイムリープできるのかの説明が全くないまま終わると思わなかった。なんで庭の木がインデックスになっているのか、とか。
せめて成長したミライちゃんが、自分のちょっとスレたお兄ちゃんを見て、ハチゲームでマゾな面を覗かせたことを思い出して爆笑してしまうシーンは観たかったな…
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